恋しちゃえよ。いい加減。

私の手を引き、ぐいぐいと歩いていく椿。


「どこ?ホテル?」


「え?あ、えっと、なんだっけ。名前。」


「あーもーいいよ!とりあえず俺の部屋でいいだろ?」


「え?椿の部屋?」



駐車場に連れていかれて、恐らく椿のであろう車に乗せられる。


「10年近く待ったんだ。いい加減、抱かせろよ。」


「な、何言うの!この変態っ!!」


「うるせー!こっちはずっと我慢してたんだよっ!」


ぐいっと顎を捕まれ、椿と目線を合わされる。




「覚悟しろよ?俺の11年越しの想い。」



あーもー!何を言うんだ、この男は。
顔も耳も、赤く、熱くなっていく。



「あったしだって、想いなら負けてないんだからっ!」


「おっ?言ったな?よしどっちが強いか確かめてやる。ベッドの上で。」



「もー!椿のバカっ!」



椿と再会できて良かった。
椿に向き合えて良かった。
逃げなくて良かった。


これから先も、今も昔も、私は椿に恋してる。



椿、待っててくれて


ありがとう。