ピンポーン。


とチャイムがなり、インターホンを覗くとそこには宅配業者。


なんだろ。今、通販とか頼んでないけど。実家からかな?


荷物を受けとり、差出人の名前を見るとそこには、

『藤嶋 椿』


と書かれていた。


「つ、ばきからだ………。」


ドクンドクンっと心臓の鼓動が伝わる。


ゴクリ。と息を飲む感触もわかる。


カタカタ。と震える指先。


早まる気持ちと、少しの恐怖。


ビリリ。とガムテープを剥がしゆっくりと段ボールを開ける。



そこには、ただ、



『これ、返す。じゃあ、また。いつか。』



と書かれたカード。



その下にあるのは、あの日の




イヤホンと、片方の靴。




椿が、『最後の切り札』と言ったそれが私の元に戻ってきてしまった。