「着いた」
と連絡があり、アパートから出ていくと1台の国産のセダン。
「おはよ。」
と助手席に乗り込む。
ナビを操作しながら、椿は短く「はよ。」と答えた。
なにやらナビに苦戦してるらしい。
「行くとこ決まってるの?」
「うん、まぁ。でも弟の車だからナビに苦戦中。」
「弟の車なんだ。」
なんかちょっと以外かもー。
外交官だし、きっと高級車でも乗ってるのかと思った。
「あっ!お前今車も持ってないのかと思っただろっ!?あるよっ!車ぐらい!俺のはアメリカにあんのっ!どうせ、また………」
そこまで言うと、椿はハッとして話すのをやめた。
どうせ、また。
何なんだろう?
「よしっ!設定できたっ!じゃあ出発するぞっ!」
椿と私を乗せた車は走り出した。

