恋しちゃえよ。いい加減。

「よっ!はよ。今何してた?」


朝から明るい椿の声を聞くとなんか嬉しいような、恥ずかしいような、心がムズムズとした感覚がする。



「おはよ。今起きた。」



「はぁ?もう10時過ぎだぞ?まっいーや、ってことは今日、暇なんだろ?」


「失礼なっ!」


「じゃあ、なんか用事あんの?」


「…………特にないです。」



「だろっ?都んちどこ?迎えに行くわ。」


胸がざわざわする。
椿と会えるってだけで。



「………西町。日の出公園ってとこの目の前のアパート。」


「わかった。着いたら連絡する。」



「あっ!ちょっと…!!」


一方的に切られてしまった電話。


「もうっ!何分かかんのよっ!あーもー!!急がなきゃっ!!」


そこからは、寝ぼけた頭もフル回転で支度をした。