恋しちゃえよ。いい加減。



雨で濡れたバックをタオルで拭きながら、デスクで今日の予定を確認していると、課長がおいでおいでと、私に合図する。


「お呼びですか?」


「うん、今日なんだけど15時に藤嶋さんとミーティングの予定が入ったんだけど、その時間空けれるかな?」



今日は外回りの予定はなく、たまった伝票整理を片付けようと思っていたのに。

椿め。


「……………はい。」



「あ、じゃあ、よろしくね?」


よほど私の顔が不機嫌になったのか課長はそそくさと席を立ちどこかへ行ってしまった。


「センパーイ。椿さんですか?」



桜田がニヤニヤしながら聞いてくる。



「そう。」


と不機嫌に短く返事をすると、大きくため息をつく。


やっぱり。



あの夢を見た日はついてない。