「はい。そこまで。ショーン。それ以上やったら日本ではセクハラだよ。」
あと少しでショーンさんの唇が触れそうってときに私の手の上に重ねられた椿の手。
『おや?珍しいね。椿くん。』
『うるさい。離せよ。』
二人がネイティブで早口な英語で話したので、私と課長はちんぷんかんぷん。
『……………いいから、都には触るな。』
椿が何かを言いながら軽くショーンさんを睨むと、ショーンさんはキョトンとして笑い出す。
『OK!わかったよ!これはおもしろいものが見れそうだなっ!』
しばらく笑うショーンさんに、ぶすっとする椿。
よく状況がわからない私と課長。
応接室には少しの間ショーンさんの笑い声だけが響いた。

