でも、現実はそんなに甘くない。


だって、今日はめちゃくちゃ最悪な日。
ひょっとしたらこの靴はガラスの靴じゃなくて、魔女に呪いをかけられた靴なのかもしれない。


なんだか、だんだん、そっちのような気がしてきて自分がバカらしくて、少しだけ笑った。








「………………!!」








「……………っっおいっ!!ってんだろっ!!」




突然取り上げられたイヤホンと、強い力で捕まれた腕に、驚いて、腕を捕まれた方を見ると、そこには走ってきたのか、髪型が少しだけ崩れ額に少し汗をかいた、



椿がいた。





椿の顔を見て驚いたけど、知らない人じゃなくてちょっとだけ安心する。