犬と猫


「俺、知らないうちに……ハァハァ、っ田嶋さんを傷つけてたよね?空気読むことも出来てなかったから、迷惑がるのも当たり前って、さっき気付いて……。」


それまで気付いてなかったのかよ。
ほんとなんなのこいつ。




「だから、本気で申し訳ないと思って謝りに来た。」

「謝罪とかもいらない。本気で悪いと思ってるなら二度とあたしの前に現れないでよ。」


寝ようと思ったのに…。

フェンスを掴んで立ち上がる。
教室に戻ろうと扉に向かった。


こいつの横を通り過ぎ…




グイッ




…れなかった。

「悪いけど、それは無理だよ。」


こいつに腕を掴まれた。