偽りのヒーロー





 中学時代は散々だった。


男に色目を使ってるとか、誰々ちゃんの好きな子と仲良くしているとか。そんなはっきりしない理由で、いつしか一人ぼっちになっていた。





 大人っぽいとか、綺麗だとか。そんな私の外見ばかりを目にして、人は勝手に判断を下す。


可愛いものや、ふわふわしたものが幼い頃から好きだった。

それでも、大人っぽくて憧れるとか、そんなことを同級生に言われてからは、パステルピンクの可愛い色のペンケースは止めて、地味な大人の使うようなものを持っていくことにした。





 親に似たバーツのしっかりした顔立ちは、成長するにつれて、精神的な年齢に容姿の年齢も伴って、鏡を見ても違和感がなくなるようになっていた。

そのうちろくに話したことのない男性から、何度か告白されるまでになっていた。





 私は、年並みに恋愛をしていると思っている。

初恋は小学生のときだった。けれどあの頃は幼くて、告白とかそんなことは頭になくて、ただただ遠くから見ているだけでよかった。



 告白されるようになると、初めて自分が男性が得意ではないということがわかった。

話しかけられると緊張して声が上擦るし、しまいには顔を赤らめてしまうこともある。全部が全部、そういうことではないけれど、誤解されるには十分で。


いつしか男好きなんて不名誉な称号をつけられていた。