「さてと。 じゃあそろそろ車戻るかー。 やっぱ外はまだ暑いしな」
「うん」
「つーことでサクラの家にー」
「行きませんっ」
チャットと同じ、流れるような会話にフジヤマは笑う。
もちろん、私もだ。
「やっぱりサクラとの会話は面白いなー」
「それ、こっちのセリフっ」
「あははっ、じゃあ両方面白いってことでっ」
「フジヤマの方が断然面白いけどねっ」
笑いながら言う私に、フジヤマは楽しそうな顔を見せる。
そして、私の頭をポンポンと軽く叩いてから歩き出した。
「今日はありがとな。 サクラに話聞いてもらって、すげースッキリしたよ」
「あ……ううん、私はただ聞いてただけだから……」
「それでいいんだよ、ほんとサンキューな」
そう言ったフジヤマは、言葉の通りスッキリとした顔だった。
……無精髭の生えたオッサンなのに、なんだかカッコイイ。 って思ってしまった。
ううん、きっと……多分フジヤマは、カッコイイ人なんだ。
馬鹿みたいなことばっかり言ってるから、そうは見えないけど……でも、真面目にしてたらきっと凄く凄くカッコイイんだと思う。



