「……そっかぁ、嘘だったのかぁ……」

「あ、もしかして俺とYUKIの『でぃーぷな話』が気になってた? エッロいこと言い合ってると思ってた?」

「やっ…私は別にっ……」


「そうかぁ? 俺はさ、正直言うとYUKIとエロい話をしてみたかったぜ? 女子大生とそういう話をする機会なんてフツーはねぇもん」

「……実際は女子大生じゃなかったけどね」

「うん、今はエロい話なんてしなくてよかったーって思ってるよ。 男と男でナニな話とかキモいからなっ」



フジヤマはけらけらと笑いながら、窓を少しだけ開けた。



「ごーめん、ちょっとタバコ吸うなー」

「え?あ、うん大丈夫っ。 フジヤマってタバコ吸う人だったんだ?」

「仕事しんどい時とか、たまーにね」


「……そっか」



しんどい時にタバコを吸う。

ってことは、今もしんどい…ってことかな?


さっきまでは楽しそうに笑ってたけど、今はもう笑ってない。

フジヤマは寂しそうに目を細めながら、静かにタバコをくわえている。