「……フジヤマ、大丈夫?」

「ん? 何が?」

「……なんか、元気がないような感じがする」


「あれっ、ソッコーバレたっ。 そうなんだよ、実は俺、今ちょっと元気ないんだ」



歩くスピードは変わらないものの、やっぱりフジヤマは元気がない。



「あの……私、何かヒドイこと言った……?」

「あー、警察に突き出すとか言われてすげーヘコんだねぇ」

「うぅ……ごめん……」


「あはは、本気にすんなってー。 つーかさ、サクラの言葉関係なしに一人で勝手にヘコんでるだけなんだ」

「……そうなの?」

「うん」



……どうしてヘコんでるんだろう?

それって、聞いちゃってもいいもの…なのかな……?



「あの、フジヤマ……」

「車借りて乗ったあとで話すよ。 ちょー待ってな?」

「あっ……うん、わかった……」



私の頭をポンッと叩いたあと、フジヤマは微笑んだ。



「あそこのレンタカー屋で手続きしてくるから、サクラはコンビニで待ってて? 一人で帰ったら地獄の底まで追いかけていくからなー?」

「……ちゃ、ちゃんと待ってます……」

「よっしゃ、じゃああとでっ!!」



ひらひらと手を振ったあと、フジヤマはレンタカーのお店に駆けていった。

残された私は、言われた通り近くのコンビニへ向かうことにした。