……無精髭のないフジヤマが写っている、運転免許証。

本名、沢口 晋也…さん。


……大丈夫。

フジヤマは変なことをするような人じゃない。


……あ、でも、喋ってることは変なことばっかりだ……。

うーん……やっぱり不安になってきた。



「フジヤマ……本当に、信じていい……?」

「当たり前だろ。 大体さぁ、俺がサクラとの関係壊すような奴に見える?」

「……ううん、見えない」



麦わら帽子にサングラスというちょっと変な人だけど、でも、私のことを大事にしてくれる人……だと思う。

チャットでずっと話してきたフジヤマは、馬鹿なことばっかり言ってるけど……でも、いつだって私のことを気にかけてくれていた。



「俺、これからもサクラとチャットで笑い合いたいって思ってるよ。 もちろん、ユージやYUKIともな」

「……うん」

「大丈夫。 本当にさ、ドライブしたいだけなんだ」



どこか寂しそうに言うフジヤマ。

……さっきまではアホなことばっかり言ってたのに、急に元気がなくなったような……?