同じクラスの女の子は、みんなとっても優しい子たちだった。

私の古臭い名前をからかったりもしない。

当たり前のように名前を呼んで、当たり前のように笑顔で接してくれる。


私が壁を作っていたから話せなかっただけで、壁がなくなった今は、みんな友達だ。


……1歩って、凄く大事だね。

たった1歩だけど、その1歩がなかったら何も始まらない。


ユージと一緒に頑張ろうって決めたから、私は“前”へ進むことが出来たんだ。



(……あ、返事来たっ)



マナーモードにしていた携帯が震え、メールの受信を知らせる。



「お、メール来た? こっそり覗いちゃおうかなー? なんてねっ。 邪魔しないから、ごゆっくりー」

「もぉっ、ほんとにそんなんじゃないからっ」



と弁解するけれど、友達はニヤニヤしながらどこかへ行ってしまった。

……あとでしっかり誤解をとかなくちゃっ。


と思いながらも笑みを浮かべ、そしてフジヤマから来たメールを開く。



【 髭は3日に1回くらい剃ってるから大丈夫だ(笑)

 送迎の件、任せとけっ!! 俺の華麗なる車の運転でっ!! と言いたいところだけど、さすがに翌日に差し支えそうだから電車で行く。
 多分○○駅で待ち合わせするだろうから、日程近くなったら改めて連絡するぜ v( ̄∇ ̄) 】



……ふふっ。

この顔文字、すっごくフジヤマっぽい。

メールを書いてる時、きっとこんな顔してたんだろうなぁ。


なんて思っていた時に、またメールが届いた。