「その言葉…「私なんて」って言っちゃダメだよ。 自分を卑下する言葉は、サクラには似合わない」
「わ、私はウメだもん……」
「でも、これからはサクラみたいなウメちゃんになるんだろ？」
「……そりゃあ、そうだけど……」
「じゃあ禁止。 次に言ったら問答無用でキスするよ？」
キ、キス……って、なんでそんな急展開な話に……。
あれかっ、フジヤマ菌がユージにも移ったのかっ。
いや…これってYUKI菌？
あれ……でもユージって元々こういうこと言う人だっけ？
チャットの中のユージは言うかも…だから、ユージ菌？
うぅ……なんか頭がゴチャゴチャしてきた……。
「キ、キスはそういうの関係なしにしたいですっ」
……って違う違う違うっ!!
なんで私そんなこと言ってるのっ!?
わぁーっ、頭の中がゴチャゴチャしてたせいで変なこと言っちゃったよーっ!!
「ご、ごめんなさいっ、今のはっ……」
「……嘘だった、なんて言わないよね？」
「……っ……」
ユージが真っ直ぐに私を見つめる。
ドキ、ドキ、ドキ……。
鼓動がさっきよりもどんどん速くなっていって……心臓が壊れてしまいそう……。
「前も言ったと思うけど、俺、こういうの初めてだから、こんな時にどうすればいいのか よくわかんないんだ。 でも……」
「……でも……？」
「……でも、本当はずっとずっとキスしたいなって思ってたよ。 行動に移すのが怖かったから、避けてきてたけどね」
