「あぁっすみませんっ!! 今の俺 髭面だから免許証とちょっと違うけどっ!! でも紛れもなくコレ俺なんでっ!!」
「……沢口、晋也さん……?」
「はいっ!! 免許証は髭なしバージョンの俺ですっ!!」
……あぁそういえば、フジヤマの免許証の写真は、髭のないフジヤマだった。
免許証を受け取ったお母さんは、無言のまま何度も何度も写真のフジヤマと目の前のフジヤマとを見比べている。
「……多分同じ顔…ね……」
やっと放たれたお母さんの言葉。
それを聞いて、吹き出すように笑ったのはYUKIだった。
「ふっ…ふふっ……すみません……でも、あんなに見てたのに「多分」だったので、つい……。 あ、紹介が遅れてしまってすみません。 僕は雪村 秀一と言います。 そこに居る髭面の男……沢口 晋也は僕の姉の夫なんです」
「……あら、そうなのっ?」
「えぇ、義理の兄が失礼しました。 本当は今日、姉も来る予定だったんですが……急用で来れなくなってしまったんです。 男ばかりで押しかける形になってしまって、本当にすみません」
申し訳なさそうにしながら、YUKIは小さく頭を下げた。
YUKI、ナイスフォローっ!!
……って、ちょっとお母さんお母さんっ、なんでYUKIに見惚れてるんですかっ。
まったくもう……フジヤマに対する態度と、違いすぎるでしょうに……。
だけど、YUKIが話をしてくれたからか、お母さんの雰囲気はずいぶんと柔らかなものへと変わっていた。



