「……あのっ、皆々様っ」
涙をごしごしと拭いながら、みんなの顔を見回す。
私の声に全員の動きが止まったのを確認したあと、自分のポケットから“それ”を取り出した。
「自分のを使いますのでっ、ご心配なくっ」
デデーンっと登場した、ポケットティッシュ。
……はい、全員が呆気に取られてるのがわかります。
いや、なんかほんと、ごめんなさい……。
「くくっ……さすがサクラ、ナイスタイミングっ。 無用な争いをしてた二人、ザマーミロってんだっ」
「「 …… 」」
ゲラゲラと笑いながら言うフジヤマ…に、無言のユージとYUKIがほとんど同時に蹴りを入れた。
うわぁ……左右からの攻撃、息ピッタリだ……。
「ちょっ、お前らさっきまで喧嘩してたくせにっ。 なんでこういう時はピッタリ合わせてくんだよっ」
「ん? あぁうん、敵の敵は味方、ってやつ?」
「だぁーっ。 てめぇ秀一っ、その笑顔怖いからヤメロッ」
「おにいさま の言葉の意味、よくわかんないですー」
「こういう時に“だけ” そう呼ぶのもヤメローッ」
……というフジヤマの叫びも虚しく、YUKIのこわーい笑顔の下で強烈なキックが容赦なく炸裂した。



