「千歳さんの病院に居るんじゃない? ほら、病院ってあんまり携帯使えないし」
そう言ったユージに、YUKIは首を横に振った。
「うちの母親、さっきまで病院に居たらしいけど、会わなかったって言ってたよ」
「そっか。 ……まったく、あのオッサンはどこで何やってんだか」
「『忙しい』とか言って、実はチャットしてたりして?」
「いやー、さすがにそれは……あり得るかも?」
「普通はないと思うけど、フジヤマだしね」
なんて話すYUKIとユージは、何かを考えるようなそぶりを見せたあと、それぞれに携帯の操作を始めた。
携帯でチャットサイトを開くんだ。 と すぐにわかったから、私はユージが操作する携帯の画面を隣からそっと覗き込んだ。
──表示されたのは、いつもチャットしている『高校生ルーム8』。
……でも、そこにフジヤマの名前はなかった。
「……さすがのフジヤマでも居ないか」
またクスッと笑うYUKI。
その顔は、なんだか少し残念そう。
「『なんでチャットしてんの?』って言う気満々だったのになぁ」
「俺もYUKIと同じこと考えてた。 ていうか、誰でも考えるよね」
「うん」
二人の会話を聞きながら、うんうんと大きく頷く。
ユージの携帯でチャットサイトを覗いてたけど、もしも自分で携帯を操作してたら絶対に言ってた。
だから、二人の言葉には まるっと同意っ。



