「あ、もしもし俺だけど。 さっき電話かけてきたよね? 何かあった?」
……YUKIの声は、冷静を“保とうとしている”のがわかる。
背中を向けているから表情はわからないけれど、それでも声は、いつもと同じように冷静だった。
「……うん、友達と一緒だよ。 ほら、前に話したサクラとユージ。 うん、その二人と一緒」
……そっか、YUKIは私たちのことを家族に話してたんだ。
ご両親は千歳さんとフジヤマがチャットで出会ったことを知ってるんだから、私たちのことも、知ってて当然と言えば当然かもしれない。
「……え、沢口さん? いや、一緒じゃないよ。 だって『今日は忙しい』って断られたし」
沢口さん。 って、フジヤマのことだよね?
沢口 晋也……それがフジヤマの本名だ。
「なに、俺じゃなくて沢口さんに用だったの? え? あぁはい、了解。 うん、2分後にメールする。 他には何もない? はい、じゃあ切るよ。 うん、またね」
そう言いながら、YUKIは私たちの方へと向き直した。
電話を終えた時の顔は、安堵…というか、呆れた感じ?



