「……って、フジヤマのことはどうでもいいよーっ。 私が聞きたいのはYUKIのことなのっ」
「俺は別に普通だよ。 特別秀でたものはないし、特別劣ってるものもない。 と自分では思ってる。 つまり、どこにでも居る普通の高校生ってこと」
「とか言いつつ、テストの平均は90点台とか?」
「あはは、さすがにそれは無理。 平均で85点だったらギリギリ行くかもしれないけどね」
……平均で85点。
いや、それ十分凄いです……。
だって平均で85点ってことは、85点以上取れる教科がある…ってことでしょ?
90点とか、私なんて夢の夢だけど……YUKIはサラッと取っちゃうんだろうなぁ……。
「……YUKIって、やっぱり凄いと思うよ?」
と、ため息混じりで言った私に、YUKIはどこか困ったように微笑みを浮かべるだけだった。
その時、飲み物を買いに行っていたユージが戻ってきた。
「あれ? どうしたのウメちゃん。 なんかヘコんでる?」
「や、YUKIの成績聞いてたんだけど……平均が85点くらいなんだって」
「うっわ、YUKIって見た目秀才っぽいけど、マジで秀才なんだね」
驚いた顔でYUKIを見るユージ。
そんなユージに、YUKIはくつくつと笑ってみせた。



