「ん…シュウ……?」
「ただいま」
「おかえりー……」
「みんなを連れてきたよ」
「……えっ!?」
寝ぼけ眼だった千歳さんが、YUKIの一言を聞いた直後に目を大きく見開いた。
それでも、まだ眠たそうだったけどね。
だけど、徐々に今の状況を理解してきたみたい。
体を起こした千歳さんは、ベッドの上で正座しながらフジヤマを見つめた。
「えっと……私、『ユキ』こと雪村 千歳です。 今日は遠いところ、わざわざ来ていただいてありがとうございます」
「『フジヤマ』こと沢口 晋也です。 俺と結婚してください」
「はい、喜んで。 ……って、え? あれっ?」
……えぇーっ!?
な、なんかフジヤマ、サラッと凄いこと言わなかった!?
「ちょ、ちょっと待って…え、フジヤマと私が、結婚……?」
「うん。 これ書いて」
そう言いながら開いたアタッシュケースの中には……大量の婚姻届。
「書き損じても大丈夫なように大量に持ってきた。 俺のは全部記入済み」
「うそ……え、ほんとに……す、少し待って…気持ち、落ち着かせるから……」
千歳さんは、目を閉じながら胸の辺りに手をやった。
そして、ゆっくりと呼吸を繰り返したあとに再びフジヤマへと視線を移した。



