「……プッ……」
……って、えぇっ!?
なんで笑うの!?
あぁもしかしてこれ、ドッキリかっ!!
地味女が勘違いして告白しちゃう……とかいうシーンをこっそり撮影中だったのかぁーっ!!
「ごめん、『ちゃんと好きだった』ってセリフが……うん、なんかサクラらしいなって思って」
「……へっ?」
「『ちゃんと好きだった』のなら、ちゃんと付き合おう」
……あれ?
ドッキリじゃないの?
え、カメラがドドーンと出てくる……とかじゃなくて?
「えっと、あの……よ、よろしくお願いしま、す……?」
「うん、こちらこそよろしくお願いします」
……わぁっ、ドッキリじゃない!!
これドッキリじゃなくてリアルだっ……!!
「あ、あのっ……私ほんとに、恋人らしいこととか、どうやればいいのか全然わかんないからねっ……?」
「そんなの俺だって同じだよ。 ていうか『どうやればいいのか』ってセリフはおかしいでしょ」
「……え、そう…かな……?」
「そうだよ。 だって“恋人役”を演じるわけじゃないだろ?」
あ、そっか……そう言われるとそうだよね……。
どうやればいいか、なんて、まるでその役を演じるかのような言い方だ。
「俺は、サクラがいつも通り笑ってくれたらそれでいいよ」
「……うんっ」
ユージの変わらない笑顔を見て、私も笑う。
いつもと同じ、私たち。
それでも、私たちはいつもよりももっともっと近い場所に居る。



