「サクラ、大丈夫?」
「ん……なんとか……」
「頑張って、あと少しだから」
「うん……」
さっき整えた息が、また切れる。
でも、ユージの言う通り、あと少し……もう少しで坂を上りきるっ。
「……坂道制覇ぁっ」
まるで富士山への登頂を成功させたかのように、大袈裟に言う私。
そんな私を見て、ユージはただただ楽しそうに笑っていた。
──その後、私たちは公園のベンチに並んで座った。
もうね、汗だく。
お互いに汗だく。
太陽は眩しいし、蒸し暑いし、セミはうるさいし、暑いし、暑いし……。
ということで、かなりしんどい状態だけど、それでも私たちは笑顔だった。
「私、頑張ったーっ」
「うん、お疲れさま」
「あっ、この先の柵のところに行くとね、海水浴場が見えるよっ」
「人がゴミのようだ……っていう“例の”場所?」
「そうそう、その場所っ」
ふふっ…例の場所、だって。
フジヤマってば、その話もしてたんだ。
まぁでも、フジヤマからその話を聞いてなかったとしても、きっと同じことを呟くと思うけどね。
「じゃあちょっと覗いてこようかな。 あ、サクラはここで休んでていいからね」
「うん、落ちないように気を付けてねっ」
「大丈夫、すぐ戻るから」
ひらひらと手を振ったユージは、私に笑顔を見せてから歩き出した。



