「ねぇサクラ」
「あ、はいっ……!!」
「このあとどうする?」
「え……あ、そ、そうだよねっ……これからどうしようかっ……」
ドキン、ドキン、ドキン。
平常心を装って言葉を繋げても、鼓動はどんどん速くなっていく。
……ユージは全然普通の顔してるのに、私だけ緊張してるみたい。
うぅ……落ち着かなきゃ……。
「えと……ユージ、どこか行きたい場所ってある? と言っても、見ての通り田舎だから何もないけど……」
「あー……俺、サクラん家の近くの公園に行きたい」
「え? あれっ……私、家の近くの公園のこと、話してたっけ……?」
「ううん、フジヤマから聞いたんだ。 サクラとYUKIが、リアルで会ってた時にね」
「あ、そっか…あの日に……」
……捨てアドが使えなくなったのって、あの日だったよね。
それに、YUKIとフジヤマがチャットを離れたのもあの日……。
「『すげーいい場所』って聞いてたから、見てみたいんだ」
「ん、じゃあ行こっ。 坂道上るの、今は ちょっとしんどいけど……」
「あはは、ダッシュで来たもんねぇ」
「うぅ……だって、待たせちゃ悪いと思って……」
「俺、待つの好きだから全然平気なのに」
「私は待たせたくないのっ」
そんな風に会話しながら、私たちは坂道を上っていく。
……ハァ、やっぱりしんどい。
普段なら大丈夫なのに、急いで下りてきたあとにまた上るのは、かなりキツいなぁ……。



