いつも私たちが居たその場所では、今は別の人たちが楽しげに話をしている。

……少し前の私たちも、こんな風に笑い合っていたんだけどな……。


なんて思っている時に、ユージから返事が届いた。



【俺も同じ。 今チャットしたら、多分リアルのネガティブな俺が前面に出てきてヤバいと思うよ(笑)】



……私も、多分そう。

サクラじゃなくて、ウメが前に出てくると思う。


前向きに捉えるサクラじゃなくて、後ろ向きなウメ。

……リアルの私がチャットしたって、何も面白くはない。



【YUKIもフジヤマも、いつ戻ってくるんだろうね……。】



また、ため息混じりでメールを送る。


『(笑)』ではなく『……』をつけた私のメールに、ユージからの返事はとにかく速かった。



【俺らはただ待つしかないよ。】



……待つだけ、か……。

そうだよね、私たちは待つことしか出来ないんだ。


メールが出来ていれば もう少しやり取りしていただろうけど、今 会える場所がチャットだけ。

だから待つしかない。

……いつ戻ってくるかもわからないけれど、それでも待つしかないんだ。



「……6年間ユキさんを待っているフジヤマは、凄いな……」



私なんて3日待ってるだけでもツラくてヤバい。

でもフジヤマは6年間ユキさんを待ち続けてるんだよね……。

しかも、なんの言葉も残さず、戻ってくるかどうかもわからないユキさんを、だ。