「『サクラへ』?」



見覚えのない封筒に、見覚えのない字。

……もしかしてYUKIが入れたのかな?

私がカバンを離したのは、ファミレスでトイレに行った時だけ……だったよね?

そのあとはほとんどカバンを開けてなかったから、全然気付いていなかった。


……ていうかこれ、私と会う前に書いてたんだよね?

だって一緒に居る時、手紙を書く時間なんてなかったもん。

いったい何が書いてあるんだろう?



「……ユージに負けず劣らずの、綺麗な字……」



私の字とは大違い。

きっと、書道教室とかに通ってたのかもしれない。


……それにしても、すっごく可愛い封筒だ。

女子が好きそうな淡いピンクを基調とした封筒には、白や黄色のお花が描かれている。

その封筒から取り出した手紙も、同じようにお花が描かれていた。



「……」



ゆっくりと、その手紙に目を通していく。

……そこに書かれていたのは、私の知らないYUKIの『過去』だった。