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その後、ファミレスに着いた私たちは、注文をしたあと早速チャットに顔を出した。
と言っても、顔を出すのはYUKIだけ。
私はYUKIの操作する携帯を見ながら、クスクスと笑っていた。
「わぁ。 YUKIって、本当にYUKIなんだねー」
「まぁね。 俺がこんな感じで打ってるの見たら、やっぱり引く?」
「ううん、面白いよっ」
『高校生ルーム8』に居るのはユージとYUKIだけ。
ユージは私がYUKIの近くに居ることを知りつつ、チャットで話している状態だ。
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YUKI>ユージ、今度 私とデートしようねー♪
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……なーんてYUKIが書くから、私はますます笑っちゃう。
凄いね、本当にYUKIが『女子大生のYUKI』なんだ。
黒髪メガネのクールな男子高校生のYUKIが、チャットでは女子大生として喋ってる。
しかも、当たり前のように。
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ユージ>YUKIはフジヤマとデートすればいいんじゃね?w
YUKI>私は高校生とデートしたいのっ
ユージ>だったら俺はサクラとデートしたいっつーのw
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不意に出された私の名前に、心臓がドキッと鳴る。
……これは、あれだよね。
YUKIが男だって知ってるから、ユージは私とデートしたいって言ったんだよね。
『高校生ルーム8』で女なのは私だけだから。
……うん、だから『デート』って言葉に、深い意味はない。
落ち着け、私。
平常心、平常心……。



