パラパラとホテルパンフレットをめくっていると、ふと最後のページに目が留まる。
『荷造りのルームサービス お問い合わせは内線電話の9999』
私は急いで電話し、ホテルマンを呼んだ。
1分もせずにチャイムが鳴る。
ドアを開けると、身長188センチはあるであろう、ホテルマンが現れた。
「あの..いきなりすみませんが、この荷物ってスーツケースの中に入りませんかねぇ。」
私はスーツケースを指す。
ホテルマンは首を縦に振ると、スーツケースを開け、中を見た後、部屋中にある荷物を見回す。
すると、彼は部屋の荷物をまるで絵を描くようにケースの中に入れてしまった。
「ありがとうございます。チップを...」
私は彼にチップを渡そうとしたが、彼はチップを持った私の手を押え、私の方向に戻した。
なんて誠実な方だろうか。
上機嫌になった私は彼を笑顔で送り、ベッドへ戻る。
後40分以上ある。
カーテンを開け、晴れた景色を見る。
ちょっと散歩でもしに行こうかしら。
散歩に行こうとすると、私はある事に気づいた。