「生臭い…」
女が出て行ったあと、
あたしは久しぶりに兄ちゃんの部屋に入った。
性の匂いの充満する密室にあたしは兄ちゃんの男を感じて吐き気がした。
「…なんだよ?」
兄ちゃんの顔をした男が言った。
「悠斗、きてた。」
「へぇ、」
「さっきの女より、
悠斗のが綺麗。」
「は?
…あっそ、
で何?」
「悠斗と付き合っちゃえばいーじゃん。」
兄ちゃんにはもったいないけど。
「ワケわかんねェ奴だな~」
ハハッとあたしを馬鹿にしたように笑う兄ちゃんは、
本当の馬鹿だ。
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