重罪恋愛

そして、なぜか彼はさよならとは言わなかった。



さよならと言わず、バイバイ。と悲しそうな微笑みで。



「なんだったんだろう…」





「聖那っー」



「ユッキー…!」



「はぐれるたら、ダメ」



「ごめん…」



ユッキーは優しくあたしの頭を撫でて、笑った。



「その下駄、どうした?」



「鼻緒、取れちゃって…。でも、ある人が助けてくれた。でも、不思議な人だった」



「不思議?」



「なんか、懐かしいような…でも、悲しいような。そんな、人だった」