重罪恋愛

「うん、エスパーでもないし。なんとなく分かるだけ。鼻緒…切れちゃったんだよね?直してあげる」



「え…は、はい」



男はしゃがみこみ、ズボンからハンカチを。



そして、器用にハンカチで下駄の鼻緒の補助をする。



「君、名前は?」



「御子柴…聖那です」



「聖那ちゃんか。可愛い名前だね」



「ど、どうも…」



なんだろう。



この人の持つ雰囲気は独特だ。



明るくもなく、暗くもなく。



不気味な…。