重罪恋愛

でも、いつかは知らなきゃいけないのだ。



そのいつかは今なんだ。



「これが君の母親と父親だ」



ハルトさんは出してきた写真を指さす。



1人の女性と1人の男性が幸せそうに笑う写真だった。



「幸せそう…」



「うん、当時彼らは幸せだったろうね。この写真の時には、彼女のお腹の中に君がいたんだよ」



「そうなんですか?」



「うん。…君の母親の名前は、黒崎真夜。父親の名前は、御子柴ジン。当時、黒崎組というヤクザが問題になっていてね。その黒崎組の1人娘が真夜ちゃんだった。彼女は強くて恐ろしいと話題で、次期組長というのもほぼ決まっていたらしい。でも真夜ちゃんはある日、信用していた組員に裏切られてまんまと捕まってしまったんだ。そして、彼女は15歳という若さで外国の少年院へ行くこととなった」