先輩とタマ


ずるいですよ。




いつも鈍感で天然で



何も考えてなさそうなのに



こういう時だけ察するなんて。




「ごめんね、タマ」




手が、私を包むように移動して



今度は先輩の腕へと涙が落ちてゆく。