帰りの電車では緊張しつつもいつも通りに何事もなく帰る事ができた。

「ただいまー」

声は帰ってこず家にはまだ誰にも帰って来ていないとわかりと、そのまま自室に行きベッドに腰をおろした。

少し横になるつもりでいただけだったが疲れていたのか眠気に襲われ抗うこともせずそのまま目を閉じた。



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どれくらい寝ていたのか分からないが取り敢えず部屋着に着替え時計を見る。

「5時…か」

特にしなくてはいけないこともなく一階に降りるとすでに母親が買い物から帰って来ていた。

「お帰りなさい帰ってきてたの、翼悪いんだけどこれ空の所まで持っていって」

お母さんが指差した方を見ると飲み物とお菓子が用意されたトレイがあった。

また彼女でも連れて来たのかな?
そうじゃないとしたらお母さんが私になんて頼まないだろうしね…

「分かったけど私の分もある?」

「あるから大丈夫!」

ただ言ってみただけだがなぜか母親は下手くそなウィンクしてきたの取り敢えず何も言わず兄の部屋に向かった。

「お兄ちゃんドア開けてお菓子持ってきたから手がふさがってる!」

「ちょい待って…いいから開けんなって」

中から兄の慌てた声がしたかと思ったら
ドアが開かれる。

覗くとそこには知らない男の顔があり慌ててはなれようとしてバランスを崩し倒れそうになる。

「わっ!ちょ大丈夫!?」

トレイと腕を捕まれ大惨事にはならなかったが気がまえもないまま男の人とのあまりの至近距離にパニックになる。
そのままトレイもその男の人に押し付け急いで自分の部屋へと逃げドアを急いで閉めその場にしゃがみこんでしまった。