「私は時間全然大丈夫だけど、夏惟はこの後大丈夫?」

「うん、全然大丈夫。」

「おっけ。最終下校までやるか〜。」


しばらく続けたところで海織里が伸びをする。

目の前では無言でさらさらとペンを走らせる夏惟。

「……かっこいいなぁ。」

思わず口からこぼれてしまった。


「海織里なんか言った?」

「な、なななんにも言ってないよ!」

「そうか。」

(あぶないあぶないっ。ばれてなくてよかったー。……ん?ばれなくてよかった?
普通にいつも通りでいればいいのに、なんであぶないの?)