すると、夏惟は海織里の方へより優しく抱きしめた。


「ふぁ!?ど、どどどどうしたの!?」

夏惟は申し訳なさそうに謝る。

「ごめん。俺のせいで、海織里の事傷つけた。」


しばらく沈黙が流れた。


「な、んで夏惟が……謝るの?」

「だって、現にこうなってるし……ほんとにごめん。」

夏惟はただただ謝る。

海織里は夏惟の背中をぽんぽんと一定のリズムで優しくたたく。

「私は大丈夫だよ。
確かに悲しかったけど、でもね……こうやって夏惟がいてくれたから、もう全然大丈夫だよ。ありがとね。」