*いつかの君と夏を探しに*

「失ってから気づくとか……ほんとバカだよね。
でも、それでもね、夏惟の事が……好きだから。
他の女の子になんて、とられたくない。
ずっと……ずっと、私の夏惟でいてほしいの……!」


返事が恐くて下を向く。

「……海織里。
俺も他の男になんてとられたくない。
海織里もずっと、俺の海織里でいてくれる?」


夏惟は泣きそうな、でも嬉しそうな、そんな顔をして笑った。

海織里も嬉しくて、先程よりも多くの、大粒の涙を流しながら夏惟に抱きつく。

「夏惟……!」 「海織里……!」

強く抱きしめながら2人は会えなかったぶんの、名前を呼びながらお互いをたしかめあった。