そして、放課後―。

帰る支度をして、急いで裏庭へ行く。

まだ夏惟は来ていない。


(やばい。……心臓が飛び出そう。)


数分経ち、後から足音が聞こえる。
海織里は勢いよく振り返ると、そこには夏惟がいた。


「……夏惟。き、急に呼び出してごめん。」

夏惟はその場から早くどこかへ行きたそうにしている。

「は、話って……?」

「夏惟って、本当は記憶無くなってないんでしょ?事故とか……あってないんでしょ。」

「……え?何言って……。」