「海織里?そんな人知らない。」

「え……。ほんとに?わからないの?」

「あのさ。俺事故で記憶ないから、その前の時にあった人なら……覚えてないんだ。
ごめんな。」

それを聞いて海織里は掴んでいた手を離す。


「そ、そうなんだ。ごめんね、いきなり話しかけて……わ、私葉月 海織里って言います。
゙友達゙だったので、えっと。
富海くん、よろしくお願いします。
それじゃ。」

(覚えてないんだ……私の事。)

海織里はそそくさと、その場を離れ悔しさと悲しさの涙を流した。

「夏ー惟っ!もしかしてさっきのが海織里ちゃん?」