『先程の話に戻りますね。本来宵闇に入って、自分を自分の意思で動かせる人はなかなかいない。しかしあなた方4人の還力は人とは少し違う。だから宵闇でも自由に動くことが出来るのだ。』
「何故僕達にそんな力が?」
賢迅が思っているままをきいた。
『さっき説明した通り、君たちは那都(なつ)姫達の生まれ代わりだ。きっとそのまま還力を受け継いだのだろう。』
那都姫というのが私の前世なんだろうということはすぐに分かった。
『勝手なことを言っているのは私たちとてわかっている。でも君たちにしか出来ないんだ。酷なことを言ってすまない。』
蕾季様はすまなそうに頭を下げた。
「蕾季様頭をあげて下さい。そういう運命なら受け入れます。」
そう言い出したのは美夜だった。
しかしその手は小刻みに震えていた。


