街に出ると未熟な私でも分かるくらいに、宵妖の気が漂っていた。


「よくきたな。」


そう言ったのは賢迅の祖父でもある村長だった。


「確認出来ただけでも宵妖は雑魚含め40体。少しでも大変だと思ったらバディを組め。以上解散!」


「「「「「はい!!」」」」」


私はとりあえず、美夜たちと別れて微かな夏凪翔の気を追った。

かなり気が濃くなると戦っている夏凪翔が見えた。

1人で3体も相手をしていた。

私は急いで応援にいった。


「かの者たちの動きを封じよ縛止動(ばくしどう)」


私が呪文を唱えると3体同時に動きが止まった。

夏凪翔はすごい早さで肩で呼吸をしている。

私たちは声に出さなくてもなんとなくお互いの事がわかる。

きっとこのことから2人で組まされたんだと思っている。

夏凪翔が合図を送ってきた。私は頷いた。


「汝、我夏葉の問いかけに応えその們を開けよ。們開繋宵!」


私の呪文によってとてつもなく広い們が開いた。

しかしあまりに大きすぎて原型を留めるのが辛かった。

そして私が時間を稼いでいる間に登っていたであろうビルから夏凪翔は飛び降りた。

範囲が広いので高いところからやった方が確実だからだ。