「じゃあ、先輩も必ず、この温室の本物の青い薔薇をお願いしますね。イミテーションじゃない奴!」
「勿論。お互い、頑張りましょうね」
そんな風に、ほぼ初対面の利香にでも屈託なく笑いかけるる菫は本当に裏表のない良い人だと全身から溢れている。
「よーし。園芸部に入部決めたぞー。一応、陸上部の見学しようかなー。此処でのんびりしちゃおうかなー」
園芸部に入るならそれ以上はもう、利香は恋愛部があるから掛け持ちできないけど、見たら入りたくなるのは確実だ。中学時代はその身軽さを生かし、エースだったのだから。
うずうずと部活のパンフレットを見ていると、菫が二つの部活を提案して来た。
「美術部と音楽部、ここの部長もね、片思い中みたいなのよね」
「えっ」
「でもなかなか口を割らないのよ」
「ほほう、偵察に行こうかな」
「そうよ。部活としては早く実績が欲しいでしょ? 絶対に部長格から攻めていけば部員たちも積極的になってくれるわよ」
部長格。
菫は適当なことを言わない真っ直ぐな人だからこそ参考になった。



