「へ? へ? 先輩が一号さんになってくれるの?」
菫は拳を口元に当てると、咳を切ったかのように笑いだした。
「だって! 昨日の貴方の登場本当に最高だった。あの響也が、息を切らして走っているから見て見たら、貴方を抱えているのよ。あの響也が貴方をっ」
「あれは、色々とアクシデントと誤解がありまして」
「いいの。大丈夫よ。響也とは幼馴染だから、響也が貴方を抱えて走ったってことはきっと貴方は信頼が置ける人よ。だから、貴方になら、この臆病になっている気持ちを叩き起こして貰いたい」
「私で良いのならば、勿論です」
響也、と連呼されて誰だっけと違和感が浮かぶ。近衛だと気づくのに数秒かかったが、そして先程の近衛と菫のやり取りや雰囲気を見ていたので分かる。近衛を良く知った上で、利香を信頼しているということは、つまり近衛が信頼されてるってことだ。
「先輩の好きな人って近――」
近衛なのか聞こうとしたら、先に菫が何処からか取り出した青いバラを差し出した。
「青いバラの花言葉は、不可能。なんでだと思う?」



