「私は大丈夫! 自前の足でたたたっとね。陸上部に入る予定だし」
スタンディングスタートのポーズをとって、にたりと笑うと、意外にも生徒会長は憔悴しきった顔で利香を見ていた。
クールで表情も変わらなそうに見えるが、感情が顔に張りつく辺りやはりきょうだいのようだ。
「そうして頂きたい。で、文系の部活は?」
「ん――。書道か御花、ここの学校、温室の薔薇が綺麗って聞いたから園芸?」
園芸という言葉に、千昌の眼鏡の奥が光る。
「園芸部には、オカリナの様に美しい声の部長が居ます。彼女の薔薇をくれぐれも枯らさないようお願いしますよ」
「もちろん! ね、歩夢(あゆみ)君は何部?」
幼馴染でお隣さんだった、歩夢君。
寮に移ってから全然家に帰っても来ない、利香はもう二年近く会ってなかった。なので今日は会えるのが楽しみだったのだけれど。
「あ、あんなやつ知るか! 何を言っても俺を無視だ。おまけに部活にも入らない!」



