「行きましょうか」
「待って、俺も行くし」
「庶民で良ければ私も行くわ」
「歩夢の恋の為ならば仕方ないか」

 玲音と竹鶏、賢次郎も一歩踏み出した。

「みなさん……」
 利香の目が潤む。そんな利香の肩を支えるのは、真っ直ぐで、真っ青な澄んだ空の様な男、近衛だ。
「行きます! 今から、私はラスボスに挑みに行きます!」

 ラスボスだと思っていた近衛は、もうここに居る。真の悪か、利香の先入観で作りだされた悪なのか。それは今、此処から明らかになる。