開き直った歩夢の言葉に、輝夜が目をパチパチする。
「お前は男が好きなのか」
「そーゆう紛らわしい言い方は止めとけ。俺は、輝夜が意地悪して泣かせたいぐらい好きなの」
歩夢の人を憚らない口説きに、周りの方がざわめきだす。
「ボーイズラブ?」
「や、でも生徒会長って今、女って言ってなかった!?」
「やだやだやだやだ! 歩夢は軽薄で皆に優しいままでいてー」
輝夜の胸のふくらみに気づいてから、歩夢の心の葛藤も激しかった。長い睫毛、透き通るような白い肌。壊れてしまうそうな細い腰、偉そうな喋り方は、自分を大きく見せる為の強勢。
一度真実を知ってしまえば輝夜は、なんとも儚く切ない存在だった。
完璧に頑張ろうとすればするほど、歩夢の苛々が募ったのは、好きな子を苛めたくなるそれでは無く。輝夜の目指すものが、輝夜の進む人生の中で一番おかしなものだからである。邪魔して今すぐ此方側に戻さなければ、帰ってこらえなくなる。けれど輝夜は、頑なで意固地で。
一年間も無駄な時間を過ごしてしまった歩夢の前に、飛び跳ねながら足を踏んで行った利香は本当に救世主だった。
「女として俺に愛されない?」



