三月ウサギは恋をする!?



 輝夜は、額の汗を拭う中、上の服のボタンはきっちりと一番上まで締めて窮屈そうだ。利香の暴走を合図に、皆が休憩を始めてしまい生徒会室には輝夜しかいなかった。

「いたわ。輝夜(かぐや)ちゃん」
「ああ。そんな格好をして!」

 利香に良く似た、ただ利香が髪を長くしただけのような若々しい女性は、某老舗ファッションブランドの社長秘書兼通訳として様々な交流で来られる重役との仕事で忙しい日々を送っているがその表情は利香の様に若々しい。
利香の父親も近衛の様な硬派な様子のパイロットで、殆どを飛行機の上で過ごすそうな。そんな忙しい二人が、時間を割いてまで輝夜に会いに来たのだ。

「おじさん、おばさん、久しぶりです。お忙しいとお聞きしたのにお元気そうで」
「そんな! 他人行儀いやよ。いいの、こんなに可愛いのにそんな恰好、止めて頂戴」
「今日こそ君の自由を私たちが理事長から奪う。安心したまえ」
「おじさん、おばさん……」

 輝夜は複雑な顔で笑った後、首を振った。

「自分で何もしても居ないうちに頼るのは良くないんです。俺はもう少しあの人に認められて、後継ぎとして申し分なく成長してからちゃんと意見しようって思ってました」
「俺って乱暴な言葉使わないで。貴方は私たちにとっては可愛い女の子なのよ」