三月ウサギは恋をする!?



「甲子園で優勝したら俺も理事長に直訴する。お前の兄は俺にも無関係ではないからな」
「え、何々? 理事長に利香ちゃんを下さいって直訴?」
「レオ先輩ったら。違うよ違う」
「お、二年の歩夢。向こうもお前と同じで休憩らしいな」


 近衛が話を逸らしてくれた先には、頭にタオルを巻いて熱そうに自販機でジュースを買う歩夢の姿だった。金髪の髪は、灼熱の炎天下では熱そうだ。買った炭酸ジュースを一気飲みしていく姿に利香も見惚れている。

「歩夢君、あー見えても中学時代はバレー部のエースだったからね」
「最近はお前のサポートを頑張っているじゃないか」
「でも、もっと凄かった! お兄ちゃんと小さな頃はフェイシングも習っててね、でも――」

 でも、だ。フェイシングを二人が止めてしまったのは、輝夜が戸籍上は女性だと気づいた時期に重なった。そう言う事だったのかと今なら気づける。

「利香! 大変よー!」
 おっとりしているはずのみなもが、大声で走りながらやって来る。
「みなもちゃん」
「おじさまとおばさまが乗り込んで来てるわ」

 利香の両親は理事長と利香が接触するのを嫌っていた。その反対を押し切り、利香はこの学園に入学したのを、両親は今も怒っている。その反面、輝夜の心配もしているようだった。