そう言った後、近衛は利香の耳元で『好きだ』と伝えてくれた。 じわじわと広がる喜びが、全身を甘く痺れあがらせる。自分だけこんな思いを持って良いのだろうかと、利香の頭の中に兄の姿が浮かぶ。 「利香」 「利香、素直になっちまえ」 歩夢の一声で、利香は近衛の首に抱きついた。掠れた声でも、泣き声でも、きっと伝わると信じて。 「私もです。好きです」 吸い込まれそうな青い空、兎が一人、空に溶け込みそうに抱きあげられてその人の見える青空の中に映し出された。