力なく笑う近衛に、利香は涙が込み上げてくるのを必死で唇を噛みしめて耐えた。
「響也、連れてきた!」
レオがおんぶした保健室の先生と、野球部のマネージャーと一年数人を連れて近衛を部室へ連れて行く。
「利香ちゃんもおいで」
レオの言葉に、利香も中へ入った。近衛の左肩は、右肩の半分も上がらず回そうとすると痛むようで、本人は大丈夫だと聞かないので手の尽くしようが無かった。
「明日、必ず病院へ行きます。なので明日一日、テーピングの方法だけマネージャーと一年に教え込んで欲しいです」
近衛はそう言うと、上の服を脱ぎ背中を皆に向けた。その大きくて逞しい身体は、背負うものが多すぎるのだ。
保健室の先生がテーピングで肩を固定するのをマネージャーたちが覚えようと凝視し一年がビデオで録画する中、近衛はもう表情を落ちつかせている。
「ごめん、通して」



